pageTop

プラセンタとは?

「プラセンタとは何のこと?」と聞かれると、
「知ってる、胎盤のことでしょう」と答えられる人は、今や珍しくありませんね。
では、さらに突っ込んで、胎盤は何からできているか知っていますか?と聞かれると、
戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。

出産経験のある人なら、母親学級の一部や産婦人科で教わったかも知れませんが、
実は胎盤は子宮内膜の一部が成長してできた組織です。
その土台になっている子宮内膜とは、毎月生理として排出されるあの血液のことなんです。

こう聞くと「ええっ?!」と驚いてしまう人もいるでしょうが、
実際に、胎盤は血液がたっぷり含まれた組織でもあります。
受精卵が着床すると、子宮内膜には驚くべき変化が起こります。
絨毛という組織から出るホルモンが子宮内膜を育てて厚くなり、それを胎盤へと形作るのです。

妊娠初期は受精卵を育てるとともに、母体が胎盤を育てる時期でもあります。
受精卵を守るための組織である胎盤がしっかりできあがっていないからこそ、
妊娠初期は流産しやすいのですね。

プラセンタにたっぷりと含まれている成分とは

絨毛から出たホルモン(絨毛性ゴナトトロピン)以外にも、胎盤にはエストロゲンやプロゲステロンという妊娠時以外にも
働いているホルモンや、胎盤性ラクトゲンという特別なホルモンも含まれています。

そして絨毛性ゴナトトロピンや胎盤性ラクトゲンは、胎内で細胞成長因子と呼ばれる物質の産生に関与していると考えられています。細胞成長因子とはGF(グロースファクター)とも呼ばれ、その性質や機能の違いから、FGF(線維芽細胞成長因子)、IGF(インシュリン様成長因子)、EGF(上皮成長因子)、HGF(肝実質細胞成長因子などに分類されています。

これらの細胞成長因子に刺激された成長ホルモンの働きによって、肉眼では見えないほど小さな受精卵が、
わずか10ヶ月で大きく成長できるのです。細胞成長因子はそれぞれが機能する血液や内臓、皮膚などにも存在していますが、胎盤にはたっぷりと含まれていることがわかっています。

また、細胞成長因子は胎児を育てるだけでなく、傷ついた細胞の修復や再生を促進し、
ケガをしたときなどに新しい皮膚や組織を作り出すよう刺激して、
健康な体や美しい肌を作る働きがあることもわかってきました。

この細胞成長因子こそプラセンタ独特の成分であり、動物性プラセンタだけに含まれているものなんです。


プラセンタが原料ではないプラセンタ製品とは

「プラセンタ」と名前の付く製品は、多くの種類が出回っていますね。ところが、原材料を確認してみると、
胎盤由来ではないものもあります。ここではプラセンタの種類を見ていきましょう。

英語でplacentaとされているのは、胎生動物のメスの胎内に存在する胎盤と、植物の種子にある胎座と呼ばれる部分です。
妊娠時に胎盤を作る動物には、ヒト以外にも牛、馬、羊、豚など多くの哺乳動物がいます。
クジラやイルカは胎内で育てた子を産むため、胎盤もあります。
魚類は卵生であり、魚類であるサメの多くは卵で産むので、メスは体内に胎盤を作りません。
わずかな例外としてシュモクザメやシロザメの仲間には、胎盤を作り胎内で子を育てて出産するものがいます。

そして、製品としてのプラセンタは、医療用に限定されているヒト、国内では使用が禁じられている牛、
現在は主流になっている馬や豚などの動物性のもの、
同じplacentaの名前をもちながら成長因子を含まない「植物性のもの、そして「海洋性」と呼ばれるものがあります。

海洋性プラセンタのほとんどは魚の卵からできていますので、
クジラやイルカ、一部のサメなどの胎盤が原料になっているわけではありません。
これらの海の動物は、畜産動物として育てることが難しいため、安定して原料を確保することが難しいからなのです。

原料により効果が異なるプラセンタ製品

それでは、今回のテーマ「プラセンタって何?」を整理して、まとめてみましょう。

  • プラセンタとは、動物のメスが妊娠時に子宮内に作る胎盤、または植物の種子にある胎座のこと。
  • 胎盤には細胞成長因子があり、胎座には細胞成長因子がない。
  • 海洋性プラセンタとは魚卵の成分が原料であり、細胞成長因子の含まれているプラセンタとは
    異なる。

では、細胞成長因子が含まれていない植物性プラセンタや海洋性プラセンタは、
何の役にも立たないのかというと、そういうワケでもありません。

植物性プラセンタや海洋性プラセンタは、
アミノ酸成分を中心に構成されている栄養豊富な部分なので、
化粧品に加工されれば保湿効果や肌の表面を保護する役割を果たすことができます。

また、サプリメントの場合は、あくまでもアミノ酸としての働きや
ビタミン、ミネラル、多糖類などの豊富な栄養成分を期待して製品化されています。
そのため、アンチエイジング効果としては限定的であると言えるでしょう。